阿川佐和子『強父論』上小鶴圭子『父を想えば止められない』
神宮司龍峰先生の読後感
東京都の自宅の近くのBOOKOFFを覘いてみたら、阿川佐和子著の『強父論』が100円~200円コーナに売られていた。阿川佐和子には全く興味が無いが、作家阿川弘之の私生活と素顔を知りたいと思って読んだ。
阿川佐和子が還暦過ぎてからも独身だった理由が明確に理解出来た。阿川佐和子の尊敬する父親は常人には理解し難い癇癪持ちと理不尽なほどに我儘な自己本位型の性格なのである。同居の阿川弘之の妻子は毎日の生活を父親の機嫌を損ねないように神経を研ぎ澄まして生きていなければならない。いつ、不意打ちに、父親阿川弘之の癇癪が爆発するか予感が出来ないからだ。ほんの些細な事から父親の感情は爆発するのである。しかもその癇癪の怒りは簡単にはなかなか収まらない。実に困った家長なのである。しかし、そんな父親への娘の他人には理解出来ない愛情があるのだ。
私は阿川佐和子に父親阿川弘之への強い愛情を感じる。そこに、阿川佐和子が結婚相手としての理想の男性と巡り合えなかった境遇を見る。
私は以前、『強父論』と同じような本を読んだ事がある。
鹿児島県鹿児島市在住のピアニスト上小鶴圭子著の『父を想えば止められない』である。この本は娘の父親へのラブレターだ。『わたしはお父さん以上の素敵な男性を知りませんよ』というメッセージである。
私は今から40年以上前に上小鶴圭子先生のお父様と何かの会合でお会いした事が有りますが、初対面のご挨拶をしたときに若輩に対して真摯に莞爾として微笑されていたのをよく覚えています。シャイな方だったと思います。才能溢れる魅力的な方で、地方都市鹿児島で仕事するには舞台が小さすぎて、大都会東京のような大きな舞台で活躍して欲しかった鹿児島県の逸材でした。
その意味では株式会社河内源一郎商店代表取締役社長山元正博氏も全国と言わず、世界を舞台に活躍して欲しい鹿児島県の逸材であると思います。
神宮司龍峰 2020/07/22 於・東京都世田谷区用賀
【霧島山法華経寺 公式ホームページ】
https://jingu-ji.com/
PC担当・井伊直子
法務担当・佐藤法律事務所